俯き仰ぐ人

旅に関する事から雑多なものまでダラダラ書きます。 twid:solarumi

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方言と旅情

今週のお題「方言」

眠れないので目を疲れさせる意味で、今週のお題なるものに手をつける事にした。

基本的に私はのんびりとした旅を好む。

が、仕事をするにあたり、日本国内で、しかも雇われの身とあっては、どうしても時間の制約というのが常について回るのが現状ではなかろうか。気軽に長期休暇をしようものなら周りの人間から睨まれかねない、そんな現状は少なからずあるだろう。

今からお話するのは、そんな悲しい現状とは程遠かった頃のお話。

 

 

その頃の私は、今ほど車を運転する習慣が無く、むしろ鉄道やバスといった公共交通機関を利用する事が日常茶飯事であったため、移動手段というと、もっぱらそういったものを利用していた。

ある日、大阪南部の郊外の駅から福岡県の博多駅まで、新幹線や特急列車を使わないで旅した事がある。いわゆる”18きっぷ”旅というやつだ。

なぜ博多駅かというと、そこで友人と待ち合わせしており、新幹線の改札で待ち合わせすると思わせ、実はしれっと在来線の改札から抜け、背後から友人の肩を叩くというのをしてみたかったからだ。

ちなみに18きっぷというのは、青春18切符を使って旅することであり、ざっくりいうと、JRの、乗車券だけで利用できる列車が、1日乗り放題になる切符の事だ。この切符の事をご存知ではない方のために以下にwikipediaを用意しておく。切符のルールなどは各自調べるように。もし上で説明したのと違ったとしても私は責任を負いかねるので。

青春18きっぷ - Wikipedia

新幹線や飛行機だと移動感がほとんど無く旅情が味わえないという理由で、昔そんな事をしでかした。大阪駅からスタートしたとしても乗換の回数が尋常ではない。そして無事に乗換の度に全ての列車で着席できたとしても尻の肉が剥がれそうなぐらい乗る羽目になる。ドMにはたまらない。そして、都市圏を抜けると、快速列車なんて優雅な乗り物から鈍行列車というローカルな乗り物へと変身を遂げ、読んで字のごとく1駅ごと停車する。(ちなみに地方へ赴くと、普通列車という名の鈍行列車、特急列車あるいは新幹線しか存在しない。地方の都市圏だとあるかもしれないが、基本的に準急や通勤快速などは存在しないと思っておいてよい)

1駅ごと停車するので車内の空気の入れ替えが行われ清々しい気分になる。また、地方の駅からの利用客の多くは地元の人間だということもあり、駅に到着するごとに列車内の人間が土地色へと染まっていく。そして利用者の言葉も変化していき、会話をしなくとも、その言葉をただ耳へとインプットするだけで、私は、生まれ育った土地を離れ、思ったよりも遠いところへと移動したのだなあと、一種の旅情を強く感じられるのだ。

西への移動を試みたのが6年ほど前のこと。旅メモをきちんと残したわけではないので、正確かどうかはさておく。

いい加減な記憶の扉をこじ開けてみると、大きく3段階に分けてシフトしたように感じる。

①姫路-岡山の間

尾道の前後

③下関-小倉の間

地方の1駅の距離が5km10kmなんてなのはザラだろうが、それにしてもこの距離が積もり積もって言葉が如実に変化していくのを体験できるというのは、18切符旅のみならず、鈍行旅の醍醐味ともいえる。